抱え込みはやめる気になってくれたらしい

もう帰ろうと思った頃,自分のマシンは落として,鞄を持って塩田さんがやってきた.
始めは別プロジェクトの後輩の様子が最近おかしいという話しでやってきていた.
それはその子の上長にそれとなく伝えておきましょう----という事で,話しはあっという間にAプロジェクトの事になった.
塩田さんは昨日から詳細設計以降の工程表を作成していた.
それで粗方項目が上がって線を引いたところで,考えに変化が・・・

塩田
画面をちょっととそれにストアドを作る予定にした
わたし
業務ロジックの詳細設計を全部やるって言ってたけど,そうすると詳細を作るだけでかなり時間がとられるし,単体試験手順書も設計した人が書く事になるよ. それに製造担当者から仕様に関する質問も出てくると思うし,画面作ってる時間は無いかもしれないよ.
塩田
あー,確かに仕様の説明はあるだろうなぁ〜
わたし
怖いのは製造する人は仕様書通りに作るだけだから,もし仕様的におかしい部分があっても,気づかない可能性が高いよ. 設計をしていれば,気づくかもしれない部分でも仕様書通りに作るだけだから気づかない事も多いだろうし,気づくのが遅れたりする. 仕様だけを作っている人は,量産しているうちに段々疲れて来たり,悪い意味で慣れてきて細かい部分に目が行かなくなって来たりしても,自分は作らないからこれまた気づかないか,気づくのが遅くなるかもしれないよ.
塩田
詳細全部と言っても,大枠は何人かに書いて貰って,難しい部分を追記する様にする事もかんがえてるんです. そうすれば少しは手が空くかと思うんだけど・・・・それでも結局チェックが必要になるから・・・・
わたし
時間的な問題は,詳細設計段階じゃ違いは殆どないどころか,もしかしたら余計手間がかかるかもしれないね. でもそうするだけでも製造する時には問題がだいぶ回避されるし試験手順書も手分けして書ける分,長い目で見ればいいんじゃないかな?


そんなこんなで,どうなら自分一人で抱え込んでいては回らないという事が,工程を引いてみてハッキリと判ったらしい.
実は昨日の池田課長との話しでは 「工程表が出てきたら一人では無理というのがハッキリするだろうから,そのタイミングで考え直して貰いましょう」 というところまで話をしていた.
言われる前に気づいてくれたので,まずはOKというところか.
どの処理を考えても,業務を詳しく知らない人に全部任せられる部分はあまりないので,今後はどこをどうやって書かせるかが問題になりそうだけど,それはまたその時の話しという事で・・・(^^;


データベース設計がとん挫している問題についても,早くやらないとマズイと思った様で,早く基本設計を完全にFixさせなくては・・・という気持ちになったらしい.
それもこれも工程表を作ったおかげだ.
後は今月中にいい加減基本設計をFixして貰えれば-----ユーザーの会社の別部門からの依頼が入り,レベルの低かった機能と経理やらなんやらで絶対に必要な機能との差し替えだなんだと,「お願い」されてしまい未だにFixしていない-----なんとかなるかなぁ〜?